アーティスト宅のピアノを思いのままに

アーティストの調律師を名乗るのは、容易な事ではありません。
コンサート・レコーディング・テレビ局収録、野外における演奏会、全てに完璧が求められ、調律師はアーティストたちに対して、献身的でなければなりません。わたしたちは、数々のアーティスト共に歩ませて頂く事くことで、アーティストの求める感性と、調律師側からのピアノ調整における見解とが食い違う場面を幾度となく経験し、痛い思いをする事もありました。わたしたちは調律師としてさまざまな楽器・ジャンルのアーティストに接する機会があります。ピアニスト、バイオリニスト、チェリスト、声楽家、作曲家・・・・・・列挙し始めたらきりが無いほどのアーティストたちと知り合い、仕事を共にしてきました。そして、楽器・専門分野によっても、好みの調律や手法や、求められる音色の違いを肌で感じる事ができ、それがノウハウとなってアーティストへと還元されてゆきます。その日に演じられる楽曲、アーティスト宅で練習用に使用されているピアノのコンディション、それに加え、実際に演奏をするアーティストのご性格までを総合的に分析・考慮し、どの部分を重点的に調整する事が望ましいのかを直感的に分からなければなりません。
創造性、または独創性や感性といったセンスはそう簡単に身に付くものではなく、アーティストとの親密な意見交換や、かなりのプレッシャーを受けながらの仕事を数多くこなし、メンタル的にもフィジカル的にも強くなくてはならないのです。
我々調律師が、日頃アーティストから吸い上げる「生の声」をいかに吸収し、成長を遂げるのか。それがアーティストから支持される、素晴しい調律師の一人として数えられる唯一の方法といえるのではないでしょうか。
アーティストからの声
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| ピアニスト:安達朋博 |
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プロフィール
クロアチア・ザグレブ大学在学中。
C.TOGNI国際音楽コンクールピアノ部門第3位、SEILER国際音楽コンクールピアノ部門第1位、J.BRAHMS国際音楽コンクールピアノ部門第2位など、欧州各地のコンクールでの入賞・受賞も多い。また、クロアチア・ドイツ・イタリア・日本各地などでリサイタルを多数開催し、好評を得ている。特に2005年にドイツで開催されたリサイタルは、地元各紙に大きく取り上げられ、「高い集中力と繊細な音」、「自信に満ち溢れ、そして華麗」「最高クラスのピアニスト」などと評され、絶賛を博した。
日本では、クロアチアの作曲家によるピアノ作品を積極的に取り上げ、本邦初演を含む公演を多数行い、人々の関心を集めている。その他、音楽雑誌への記事執筆やラジオ出演、またクロアチア観光協会制作のショートフィルム(2005年ベルリンにて開催された国際観光フィルムフェスティバルにおいて世界300作品の中からグランプリを受賞)等にも登場するなど、多方面で活動を展開している。
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コンサートの調律をお願いしたお付き合いから
素晴らしいピアノに出会うというのは喜びである。素晴らしい音色のピアノは、演奏家の可能性を引き出し、深い音色から放たれる創造性に触発され演奏家は音楽を形成することが出来る。
様々な場所で演奏機会はあるが、コンサートホールにはスタインウェイが置かれている為、必然的にスタインウェイピアノを弾くケースが多い。しかし、その音色には常々疑問を感じていた。やたらにカンカンと鈍い鉄の塊が落ちてくるがごとく鳴り響く音で、バッハやベートーベンを演奏する気にはなれず、スタインウェイよりもヤマハを選んでしまうことも多かった。
しかし、古屋氏に調整されたスタインウェイピアノからは、表現力豊かな甘さ、鋭さ、繊細さ、迫力あるフォルテシモと、音楽に必要な要素を全て兼ね備えている、素晴らしい楽器であった。
ピアニスト 安達朋博 |
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